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卒業生の声

進路情報

山田 真太郎

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙技術部門

機械工学科(2001年3月卒業)

山田真太郎さん

沼津高専で習得した知識や経験は一生の宝

私は小中学生の頃、乗り物が大好きで、特に自動車の仕組みに興味があり、時間を見つけては町の図書館に行って本を読み漁っていました。当時の私にとっては、地元の浜松から沼津は遠く感じられましたが、モノづくりを学ぶ機械工学は、その不安を乗り越えるのに十分なほど魅力的なものでした。実際、機械工学科での5年間を通じて、期待していた機械の設計・製造の基礎を一通り学ぶことができただけでなく、私のその後の専門分野となる計測制御にも出会うことができ、自分の将来を決めていくための貴重な5年間となりました。

私は大学では博士後期課程まで進みましたが、沼津高専で学んだモノづくりの現場に近い実践的な座学や実習のカリキュラムは、大学にはほとんどありません。それを沼津高専で学べたことが、今の私にとって一番の武器になっています。

就職に際しても、私は乗り物に携わる夢が諦めきれなかったため、今はまだ日本は有人ロケットや宇宙船を持っていませんが、自分が生きているうちに実現したいという思いから、JAXAに就職しました。これまで、種子島宇宙センターでロケット打上げ設備に関する業務、筑波宇宙センターで国際宇宙ステーション(ISS)に物資を補給する日本の宇宙船「こうのとり」に関する業務、米国ヒューストンにあるNASAのジョンソン宇宙センターでISSに関するNASAとの技術調整業務等に携わってきました。いずれもJAXAの中では現場に近い業務ではありますが、自分で図面を引いたり、加工したりすることはありません。JAXAはロケットや宇宙船の構想を考え、それを実現するために備えるべき機能・性能を定め、それを実際のモノとして作り上げるために協力してくれる企業と共に開発を行います。協力企業との開発では、設計や製造の内容を理解し、課題を早期に発見し、解決することが大変重要です。この過程で、沼津高専で得たモノづくりの実践的な知識や経験が威力を発揮します。私のような直接モノづくりを行わない職種であっても、沼津高専で得た知識や経験は貴重な武器になるので、在校生のみなさんにはどのような職種であっても自信を持って進んで頂きたいです。

最後に、私が日頃から大事にしている言葉を紹介します。私が在学中にOBの方から、「人生は選択の積み重ね」という言葉を伺いました。人は、無限の可能性が広がる赤ちゃんから始まり、歳を重ねる中で日々多くの選択に迫られます。その選択は、泣くか泣かないか、食べるか控えるか、遊ぶか勉強するか、怒るか我慢するか、仕事をするか大切な人と過ごすか、結婚するかしないか等々、日々の些細なものから、人生の大きな決断まで様々です。この選択によって、選んだものの方向へ可能性は深まりますが、代わりに選ばなかったものの方向への可能性は狭まります。そのようにして、歳を重ねる中で、自分の可能性が日々深まりながら狭まっていきます。みなさんにはまだまだ大きな可能性が広がっています。悔いの無いよう、常に自分の意志で、自分の未来を決める選択を積み重ねていって下さい。

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