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JABEE(教育プログラム)

学校案内

総合システム工学プログラム紹介

沼津工業高等専門学校の第4学年及び第5学年並びに専攻科は、単一の技術者教育プログラムである総合システム工学プログラムを構成します。

本プログラムは2004年度より、日本技術者教育認定機構(JABEE)の認定を受けています。

総合システム工学プログラムとは、高専の第1学年~第3学年における工学技術の導入教育の成果を引き継ぎつつ、第4学年並びに第5学年の体験重視型の早期専門教育、及び専攻科における研究指導を通じて得られる領域工学(機械工学、電気電子工学、情報工学、応用化学・生物工学)に関する深い専門性を基に、創造的な知性と視野の広い豊かな人間性を備えた技術者を育成するとともに、産業社会との学術的な協力を基礎に教育研究を行い、もって地域社会の産業と文化の進展に寄与することを目的とする教育プログラムです。

総合システム工学プログラムは、技術者に求められる基礎能力並びに基礎工学及び専門工学の知識・能力の育成のため、沼津高専5学科(機械工学科、電気電子工学科、電子制御工学科、制御情報工学科、物質工学科)と専攻科においてそれぞれ定める総合システム工学要件をカリキュラムの基本とします。

このカリキュラムには各学科にあっては「プログラム前半部のカリキュラム要件」が、専攻科にあっては「専攻科総合システム工学プログラム要件」がそれぞれ対応します。20世紀を特徴付けた工学技術の進展は、幸・不幸にかかわらず、人類の在り様に深くかかわり、その命運を左右する重要な要素となっています。1990年代後半に入って、急速に進展したグローバリゼイションは、世界の政治、経済、文化の全てに情報・通信技術、輸送技術、とりもなおさず工学技術の全てが関与する状況を生み出しました。こうした状況の中で、技術者教育に求められるものは、個々の領域工学に関する能力のみならず、社会の中での工学技術の位置を理解し、絶えざる自己研鑽を通じて社会の進展に寄与できる能力です。

本プログラムは、上述の能力を身につけた21世紀の社会に求められる技術者を育成するために、学生が「沼津高専における『総合システム工学プログラム』について」に定められた能力、及び姿勢、態度を身につけることを、学習・教育の目標とします。

本プログラムは、「規則」に定められた方法によって計画され、実施され、点検され、改善されます。

プログラム前半部のカリキュラム

令和2年度入学生 現在第4学年に在学するものに適用

平成31年度入学生 現在第5学年に在学するものに適用

総合システム工学プログラム要件

沼津工業高等専門学校学則第54条の2第2項に基づき総合システム工学プログラム要件を定め、専攻科生が習得すべき知識・能力を以下に示す。

なお、総合システム工学とは、基礎工学並びに環境エネルギー、新機能材料及び医療福祉機器開発のいずれかの複合領域工学に関する専門的知識・能力を統合した工学をいう。

基礎工学の知識・能力

基礎工学の知識・能力とは、別表1に定める「専攻科総合システム工学体系」(以下「工学体系」という。)の5群に区分される科目群からなり、各群の少なくとも1科目、合計最低6科目を取得して得られる専攻科の学習・教育目標の A~Cに対応する知識・能力を意味する。

  • 設計・システム系科目群 (工学体系における基礎工学分類Ⅰ)
  • 情報・論理系科目群 (工学体系における基礎工学分類Ⅱ)
  • 材料・バイオ系科目群 (工学体系における基礎工学分類Ⅲ)
  • 力学系科目群 (工学体系における基礎工学分類Ⅳ)
  • 社会・技術系科目群 (工学体系における基礎工学分類Ⅴ)

別表

専門工学の知識・能力

専門工学の知識・能力とは、専攻科研究、実験、演習、学外実習並びに工学体系においてコース専門科目、専門共通科目及び専門展開科目に分類され、専攻科の学習・教育目標のA~Eに対応する教科目を取得して得られる知識であり、以下に示す能力である。

  • いくつかの工学の基礎的な知識・技術を駆使して実験を計画・遂行し、データを正確に解析し、工学的に考察し、かつ説明・説得する能力
  • 工学の基礎的な知識・技術を統合し、創造性を発揮して課題を探求し、組み立て、解決する能力
  • 技術者が経験する実務上の問題点と課題を理解し、適切に対応する基礎的な能力

沼津工業高等専門学校における「総合システム工学プログラム」について

1. 構成

沼津工業高等専門学校の第4学年及び第5学年並びに専攻科は、単一の技術者教育プログラムである「総合システム工学プログラム」(以下「プログラム」という。)を構成する。

2. 学習・教育目標

プログラムは、学生が次に掲げる能力及び姿勢を身に付けることを学習・教育目標とする。

A. 社会的責任の自覚と地球・地域環境についての深い洞察力と多面的考察力

  • (A-1)「異なる文化、価値観」や「自然との調和の必要性」を理解し、工学技術上の課題に対して地球・地域環境との調和を考慮し行動することができる。
  • (A-2)「工学倫理」および「社会問題に対して技術者の立場から適切に対応する方法」を理解し、行動することができる。

B. 数学、自然科学及び情報技術を応用し、活用する能力を備え、社会の要求に応える姿勢

  • (B-1)数学、自然科学及び情報技術の知識を、環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の複合・融合領域に派生する社会的ニーズに応えるために活用することができる。

C. 工学的な解析・分析力及びこれらを創造的に統合する能力

  • (C-1)機械工学、電気電子工学、情報工学、応用化学、生物工学、材料工学などの専門知識を身に付け、これらの技術を複合的に活用して、環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の分野に創造的に応用することができる。
  • (C-2)工学的に解析・分析した情報やデータをパソコン等により整理し、報告書にまとめることができる。
  • (C-3)社会のニーズに応えるシステムを構築するために、エンジニアリングデザインを提案できる。

D. コミュニケーション能力を備え、国際的に発信し、活躍できる能力

  • (D-1)日本語で、自己の学習・研究活動の経過を報告し、質問に答え、議論することができる。
  • (D-2)自己の研究成果の概要を英語で記述し、発表することができる。

E. 産業の現場における実務に通じ、与えられた制約の下で実務を遂行する能力並びに自主的及び継続的に自己能力の研鑽を計画的に進めることができる能力と姿勢

  • (E-1)工学技術に関する具体的な課題にチームで取り組み、その中で担当する実務を適切に遂行することができる。
  • (E-2)日常の業務や研究に関連した学会等が発行する刊行物を、定期的・継続的に目を通して実務に応用することができる。

3. 総合システム工学要件

プログラムは、技術者に求められる基礎能力並びに基礎工学及び専門工学の知識・能力の育成のため、各学科及び専攻科においてそれぞれ定める総合システム工学要件をカリキュラムの基本とするものとする。この場合において、各学科にあっては主要教科目、専攻科にあっては専攻科総合システム工学要件がそれぞれ対応するものとする。

4. 組織と運営

プログラムは、教務委員会及び専攻科運営委員会において審議され、合意された事項にしたがって運営される。

5. 細目

この取扱いのほか、プログラムに関し必要な細目は、別に定める。

別表