三つのポリシー
学校案内
沼津高専の本科・専攻科では、以下に掲げる三つのポリシーに従って、教育活動を実践する。
このポリシーを基にして、教育の改革・改善に向けた検討を進める。
ディプロマ・ポリシーは、卒業・修了認定の方針である。
カリキュラム・ポリシーは、教育課程編成・実施の方針である。
アドミッション・ポリシーは、入学者の受入れの方針である。
本科
ディプロマ・ポリシー
全課程を修了して167単位以上(一般科目75単位以上、専門科目82単位以上)を修得し、以下の能力を身につけた学生の卒業を認定する。
- A 技術と自然や社会との関わりや技術が関わる社会問題に関する具体的事例について、技術者の社会的責任を工学倫理の原則に基づき説明できる能力。
- B 環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の複合・融合領域に関する課題に数学、自然科学及び情報技術の知識を適用できる能力。
- C 機械工学、電気電子工学、情報工学、応用化学、生物工学のうち、いずれかの専門的知識を理解できる能力、及び工学的課題を解決するため、必要な情報やデータをハードウェア、ソフトウェアにより収集し、整理できる能力。
- D 自己の学習・研究活動の経過を、専門用語を正しく用いて、報告できる能力、及び自己の研究等に関する英語の記述や論文を7割程度理解でき、自己の研究成果等の概要を英語でわかりやすくまとめることができる能力。
- E 工学技術に関する具体的課題にチームで取り組む際、チームでの自分の役割を把握して行動し、活動の進捗状況をメンバーに報告できる能力及び自己の研究に関連する文献を調査・選択し、講読できる能力。
カリキュラム・ポリシー
ディプロマ・ポリシーに沿って、以下のカリキュラムを編成する。
- A 技術と自然や社会との関わりや技術が関わる社会問題に関する具体的事例について、技術者の社会的責任を工学倫理の原則に基づき説明できる能力を身につけるため、1~3年次に人文・社会科学(社会)に関する科目で国立高等専門学校モデルコアカリキュラムの規定する到達レベル(以下「Level」という。)Level 2(理解レベル)までを、4・5年次にLevel 3(適用レベル)までを身につける。
- B 環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の複合・融合領域に関する課題に数学、自然科学及び情報技術の知識を適用できる能力を身につけるため、1~3年次に数学及び自然科学(物理・化学)に関する科目でLevel 2(理解レベル)までを、4・5年次にLevel 3(適用レベル)までを身につける。
- C 機械工学、電気電子工学、情報工学、応用化学、生物工学のうち、いずれかの専門知識を理解できる能力を身につけるため、5年間で専門科目82単位以上を履修する。また、工学的課題を解決するために必要な情報やデータをハードウェア、ソフトウェアにより収集し、整理できる能力を身につけるため、5年次に卒業研究を履修する。
- D 自己の学習・研究活動の経過を、専門用語を正しく用いて、報告できる能力を身につけるため、4・5年次に人文・社会科学(国語)に関する科目でLevel 3(適用レベル)までを身につけ、5年次に卒業研究を履修する。また、自己の研究等に関する英語の記述や論文を7割程度理解でき、自己の研究成果等の概要を英語でわかりやすくまとめることができる能力を身につけるため、1~3年次に人文・社会科学(英語)に関する科目でLevel 2(理解レベル)までを、4・5年次に工業英語に関する科目でLevel 3(適用レベル)までを身につける。
- E 工学技術に関する具体的課題にチームで取り組む際、チームでの自分の役割を把握して行動し、活動の進捗状況をメンバーに報告できる能力を身につけるため、1~5年次に卒業研究を除く実験・実習・演習に関する科目16単位以上を履修する。また、自己の研究に関連する文献を講読できる能力を身につけるため、5年次に卒業研究を履修する。
アドミッション・ポリシー
以下の意欲、及び学力を有する者を、推薦選抜においては、調査書、推薦書、個人面接により、学力選抜においては、学力検査、調査書により確認し、受け入れる。
- 科学技術に興味を持ち、入学後の学習に対応できる基礎学力を有する者。(知識・技能)
- 科学技術を用いて社会に貢献する意欲の有る者。(主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度)
- 科学技術の役割、技術者の責任を考えられる者。(思考力・判断力・表現力等の能力)
- 他人の意見を聞き、自らの意見を言える者。(思考力・判断力・表現力等の能力)
専攻科
ディプロマ・ポリシー
以下の能力を身につけ、専攻科に2年以上在学し、所定の単位修得条件の下で合計62単位以上を修得した学生の修了を認定する。
A 社会的責任の自覚と地球・地域環境についての深い洞察力と多面的考察力
- (A-1)「異なる文化、価値観」や「自然との調和の必要性」を理解し、工学技術上の課題に対して地球・地域環境との調和を考慮し行動することができる能力。
- (A-2)「工学倫理」及び「社会問題に対して技術者の立場から適切に対応する方法」を理解し行動することができる能力。
B 数学、自然科学及び情報技術を応用し、活用する能力を備え、社会の要求に応える姿勢
- (B-1)数学、自然科学及び情報技術の知識を、環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の複合・融合領域に派生する社会的ニーズに応えるために活用することができる能力。
C 工学的な解析・分析力及びこれらを創造的に統合する能力
- (C-1)機械工学、電気電子工学、情報工学、応用化学、生物工学などの専門的技術を身につけ、これらの技術を複合的に活用して、環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の分野に創造的に応用することができる能力。
- (C-2)工学的に解析・分析した情報やデータをパソコン等により整理し、報告書にまとめることができる能力。
- (C-3)社会のニーズに応えるシステムを構築するために、エンジニアリングデザインを提案できる能力。
D コミュニケーション能力を備え、国際的に発信し、活躍できる能力
- (D-1)日本語で、自己の学習・研究活動の経過を報告し、質問に答え、議論することができる能力。
- (D-2)自己の研究成果の概要を英語で記述し、発表することができる能力。
E 産業の現場における実務に通じ、 与えられた制約の下で実務を遂行する能力並びに自主的及び継続的に自己能力の研鑽を進めることができる能力と姿勢
- (E-1)工学技術に関する具体的な課題にチームで取り組み、その中で担当する実務を適切に遂行することができる能力。
- (E-2)日常の業務や研究に関連した学会等が発行する刊行物を、定期的・継続的に目を通して実務に応用することができる能力。
カリキュラム・ポリシー
ディプロマ・ポリシーに沿って、以下のカリキュラムを編成する。
- 教育課程を一般科目、コース専門科目、専門共通科目、専門展開科目によって編成する。
- 一般科目を必修科目(工学倫理、語学系)と選択科目(人文社会科学系)に分類し、必修8単位のほか、選択2単位以上を修得する。
- コース専門科目は選択科目(環境エネルギー工学系、新機能材料工学系、医療福祉機器開発工学系)のみとし、所属コースのコース専門科目を10単位以上修得する。
- 専門共通科目を必修科目(知的財産)と選択科目(数学、自然科学系)に分類し、必修2単位のほか、選択6単位以上を修得する。
- 専門展開科目を必修科目(専攻科研究Ⅰ~Ⅲ、専攻科実験、学外実習、実践工学演習)と選択科目に分類し、必修24単位のほか、選択10単位以上を修得する。
- 設計・システム系、情報論理系、材料・バイオ系、力学系、及び社会技術系の5科目群系に科目を分類した場合、合計6科目以上、各群系から1科目以上を修得する。
- ディプロマ・ポリシーに示される各能力に対応する科目を1科目以上修得する。
上記7に関し、各能力と授業科目とは以下のように対応する。
A 社会的責任の自覚と地球・地域環境についての深い洞察力と多面的考察力
- (A-1)「異なる文化、価値観」や「自然との調和の必要性」を理解し、工学技術上の課題に対して地球・地域環境との調和を考慮し行動することができる能力を身につけるため、一般科目(人文社会科学系)、コース専門科目(環境エネルギー工学系)でLevel4(分析レベル)までを身につける。
- (A-2)「工学倫理」及び「社会問題に対して技術者の立場から適切に対応する方法」を理解し行動することができる能力を身につけるため、一般科目(工学倫理)、コース専門科目(環境エネルギー工学系、医療福祉機器開発工学系)、専門共通科目(知的財産)でLevel4(分析レベル)までを身につける。
B 数学、自然科学及び情報技術を応用し、活用する能力を備え、社会の要求に応える能力
- (B-1)数学、自然科学及び情報技術の知識を、環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の複合・融合領域に派生する社会的ニーズに応えるために活用することができる能力を身につけるため、専門共通科目(数学、自然科学系)、コース専門科目(新機能材料工学系)、専門展開科目(選択)でLevel4(分析レベル)までを身につける。
C 工学的な解析・分析力及びこれらを創造的に統合する能力
- (C-1)機械工学、電気電子工学、情報工学、応用化学、生物工学などの専門的技術を身につけ、これらの技術を複合的に活用して、環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の分野に創造的に応用することができる能力を身につけるため、コース専門科目(環境エネルギー工学系、新機能材料工学系、医療福祉機器開発工学系)、専門展開科目(専攻科研究Ⅰ~Ⅲ、選択科目)でLevel4(分析レベル)までを身につける。
- (C-2)工学的に解析・分析した情報やデータをパソコン等により整理し、報告書にまとめることができる能力を身につけるため、専門展開科目(専攻科研究Ⅰ~Ⅲ)でLevel4(分析レベル)までを身につける。
- (C-3)社会のニーズに応えるシステムを構築するために、エンジニアリングデザインを提案できる能力を身につけるため、専門展開科目(選択)、コース専門科目(環境エネルギー工学系、新機能材料工学系、医療福祉機器開発工学系)でLevel4(分析レベル)までを身につける。
D コミュニケーション能力を備え、国際的に発信し、活躍できる能力
- (D-1)日本語で、自己の学習・研究活動の経過を報告し、質問に答え、議論することができる能力を身につけるため、専門展開科目(専攻科研究Ⅰ~Ⅲ)でLevel4(分析レベル)までを身につける。
- (D-2)自己の研究成果の概要を英語で記述し、発表することができる能力を身につけるため、一般科目(語学系)、専門展開科目(専攻科研究Ⅲ)でLevel4(分析レベル)までを身につける。
E 産業の現場における実務に通じ、与えられた制約の下で実務を遂行する能力並びに自主的及び継続的に自己能力の研鑽を進めることができる能力と姿勢
- (E-1)工学技術に関する具体的な課題にチームで取り組み、その中で担当する実務を適切に遂行することができる能力を身につけるため、専門展開科目(学外実習、実践工学演習、専攻科実験)でLevel4(分析レベル)までを身につける。
- (E-2)日常の業務や研究に関連した学会等が発行する刊行物を、定期的・継続的に目を通して実務に応用することができる能力を身につけるため、専門展開科目(専攻科研究Ⅰ~Ⅲ)でLevel4(分析レベル)」までを身につける。
コース別カリキュラム・ポリシー
コース専門科目は、各コースにおいて下記の方針で編成され、実施される。
(1)環境エネルギー工学コース
機械工学、電気電子工学、応用物質工学、情報工学などの工学分野を融合複合した、環境と新エネルギー、エネルギー変換工学及びエネルギー応用工学を中心に深く学修し、A-1,A-2,C-1,C-3に対応した能力をLevel4(分析レベル)までを身につける。
(2)新機能材料工学コース
機械工学、電気電子工学及び応用物質工学分野を支える基盤材料として、金属、セラミックス・炭素材料、高分子、生物材料の構造や物性、材料設計作成法について包括的に学修し、B-1,C-1,C-3に対応した能力をLevel4(分析レベル)までを身につける。
(3)医療福祉機器開発工学コース
機械工学、電気電子工学、情報工学などの工学分野並びに解剖生理学、生体医用工学など医工学分野を融合複合した、医用機器工学、福祉機器工学などを中心に深く学修し、A-2,C-1,C-3に対応した能力をLevel4(分析レベル)までを身につける。
アドミッション・ポリシー
以下の意欲、学力及び経験を有する者を受け入れる。
- 広い視野と深い専門性を身につけて、社会の発展、公衆の福祉に寄与する意欲を有する。
- 工学教育を受けるために必要な数学、自然科学及び英語の学力を有する。
- 基礎的な工学について、一定の指導と訓練を受け、実践した経験を有する。
これらをこれまでの学習成果、自己申告書、推薦書、試験、面接などによって確認する。