『知財のTKY』(顧問:大津孝佳教授)に所属する電気電子工学科3年生の藤江さんは、国際連合の専門機関であるWIPO(世界知的所有権機関)主催の「Show&Tellスピーチコンテスト」にて、高校生部門ファイナリストとてして、『駿河湾とTRIZから広がる教育プログラムと観光モデル』と題し発表を行い、最終審査の結果、『銀賞』に輝きました。
◆活動の概要
本コンテストは、グローバル課題解決に向けて、創造性や独自のアイディアを世界と共有する機会として『イノベーション・クリエーションの素晴らしさを、あなたの言葉で』をテーマに、自らが考える発明や創造について、Show and Tell方式でプレゼンテーションをするものです。国内外の知的財産、教育、コミュニケーション分野の専門家の審査員による審査により、銀賞を手にしました。今後、受賞作品は、途上国などでの知的財産制度普及のため、英語をはじめとする複数の言語に翻訳の上、WIPOプラットフォームにて世界に発信されます。
◆ Show&Tellスピーチコンテスト
『知財のTKY』では日本一高い富士山と日本一深い駿河湾に近い地域特性を活かし、本物への挑戦を通し、理想と現実のギャップにある課題の本質を見出し、課題解決を行うTRIZのトングスモデルの実践を行っています。藤江さんは「駿河湾とTRIZから広がる教育プログラムと観光モデル」と題してプレゼンテーションを行いました。藤江さんが取り組むKV-BIKE(電池自転車)は、充電式単三電池40本を動力源に鈴鹿サーキットのF1のコースなどに挑戦し、2022年の茂木大会では大学・高専部門で3位となりました。そのエネルギーマネージメントの技術を、深海調査用機材開発に活かし、2023年には駿河湾深海2030mの4K撮影に成功しました。その得られた映像を用いて、駿河湾フェリーと連携し、知財系Vtuber「知寺りず」が駿河湾の地質や生物などを説明する船内教育プログラムや駿河湾の海底地形を学ぶ小型3D模型の開発を行いました。修学旅行の小中学生を対象に、駿河湾フェリー内や伊豆天城白壁荘にて駿河湾教室を行い、交通や宿泊と知財教育との融合により、従来の運ぶ船から教育の船、泊まる宿から教育の宿といった新たな観光モデルの提案と実践を行いました。更に、深海からの学びである「力と形の技術矛盾の解決策」を宇宙開発や地球ジオの理解、防災活動に活かす『落ちてくる卵を守る』のTRIZ発想法の実践を行っています。藤江さんは「今ある価値が、次の付加価値へと繋がっていく普段の取り組みが評価され、嬉しい。駿河湾が持つ価値や、海の魅力をよりイメージできるコンテンツを増やしたい。」と語りました。