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駿河湾の深海が未来の技術者を育む〜日本動物学会で小中学生が深海バイオミメティクスロボットの発表〜

研究情報・地域貢献

電気電子工学科の大津孝佳教授は、課外活動『知財のTKY』の活動の一貫として、日本一深い駿河湾を知財創造教育のキャンパスとし、地域の小中学生が取り組む『深海生物の特性を活かしたバイオミメティクスロボットの開発』を支援しました。その成果を令和5年3月18日に日本動物学会関東支部大会(明治大学生田キャンパス)で発表しました。

◆活動の概要
深海生物の特徴を活かしたバイオミメティクスロボットの開発に取り組んだのは、リーダーの沼津市門池中学校1年生の藤島妃那さんと、沼津市門池小学校5年生の藤島汐希さん、東海大学付属翔洋小学校6年生の土屋友梨花さんの3人。特に、小学生の2人は日本財団「海と日本プロジェクト」の一環で実施した『深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト』に取り組んだ深海生物に詳しい小学生のメンバーです。日ごろから深海生物に関心を持っている3名は、駿河湾の深海調査やオオグソクムシの研究を行っている沼津高専『知財のTKY』の物質工学科3年生の関野萌衣さん、電気電子工学科2年生の藤江優光さんのサポートの下、沼津港深海水族館にてオオグソクムシの行動観察、発想法TRIZ(トリーズ)、アーテックブロックロボットの製作とプログラミングを学び、深海生物の特徴を活かしたキメラ型ロボットの開発に取り組みました。

◆発表の様子
日本動物学会関東支部大会では25演題の高校生の発表中で、小中学生の発表は1件のみ。『深海生物の特徴を活かしたキメラ型掃除ロボットの開発』と題して、オオグソクムシの行動である交替性転向反応や走流性の観察結果、ハコエビの触角、イルカの超音波などの特徴を活かしたキメラ型のバイオミメティクスロボットを製作しました。更に、深海という特殊な環境下で作業するロボットの電源や通信の障害防止、静電気放電事故防止などの信頼性を向上する工夫としてもバイオミメティクスが有効であることを多くの専門家の前で、目を輝かせながら発表しました。発表終了後、関東支部大会長より修了証書が授与されました。
尚、『知財のTKY』の電気電子工学科3年生の渡邊竣さん、電子制御工学科3年生の肥田友希さん、電気電子工学科1年生の奥平和樹さんは『小型4K撮影システムによる駿河湾深海500~2030mの地形と生物調査』、物質工学科3年生の関野萌衣さん、物質工学科1年生の森田翔さんは『オオグソクムシの交替性転向反応の行動観察』と題して発表を行いました。