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高専と地域小中連携で駿河湾深海の謎に挑む〜日本動物学会で駿河湾深海プロジェクト活動の発表〜

研究情報・地域貢献

電気電子工学科の大津孝佳教授は、課外活動『知財のTKY』の活動の一貫として、日本一深い駿河湾を知財創造教育のキャンパスとし、地域の小中学生と共に駿河湾深海プロジェクトを結成しました。本プロジェクトでは駿河湾の深海に生息するオオグソクムシの行動観察や深海生物の特徴を活かしたバイオミメティクスロボットの研究等を行っています。この活動の成果を令和6年3月16日に開催された日本動物学会関東支部大会(東京大学本郷キャンパス)で発表しました。

◆活動の概要
深海生物、行動と進化、海洋環境などに関心があり、深海生物からの学びを工学的アプローチにより深めることを目的に集結した駿河湾深海調査プロジェクトのメンバーは沼津高専の藤江さん、諸星さん、眞野さん、奥平さん、加藤さん、吉澤さん、加藤さんの7名と、沼津市立門池小学校6年の藤島さん、清水町立清水小学校6年の杉山さん、浜松市立竜禅寺小学校6年の本多さん、静岡市立清水第二中学校1年の土屋さん、沼津市立門池中学校2年の藤島さん、三島市立北中学校3年生の大塚さんの6名、合計13名です。沼津港深海水族館やヤマハマリーナ沼津、(有)松崎マリーナ、(株)アーテック、三五(株)、静岡放送(株)、沼津市市制100周年事業などの協力の下、沼津高専での対面での研究活動や静岡県内の広範囲に渡るメンバーとのZoomによる遠隔での研究活動を行い、日本動物学会関東支部大会で、①駿河湾沼津の生物多様性調査、②オオグソクムシの行動観察、③駿河湾のカメガイ類調査、④深海生物からのTRIZ発想法、⑤バイオミメティクスワニ型ロボットに関する5件の研究の成果を発表しました。

◆発表の様子
日本動物学会関東支部大会では、藤江さん、奥平さん、吉澤さんは「駿河湾沼津の生物多様性調査」と題し、水中ドローンや深海カメラで撮影した表層から深海2030mまでの地形と生物の映像から、表層から深海への栄養供給による生物多様性や、魚類の温暖化による影響について報告しました。諸星さん、本多さんは「SNSを用いた駿河湾のカメガイ類の調査と海洋環境の影響」と題し、珍しい暖水系のカメガイ類が近年駿河湾で多く発見されていることから黒潮の蛇行の影響が懸念されることを報告しました。眞野さん、加藤さん、加藤さん、藤島さん、杉山さんは「小型観察モジュールによるオオグソクムシの行動観察」と題し、オオグソクムシが水槽の角の砂を掘る理由を探るため7つの観察を行い、逃避行動により予想と反した様々な行動をすることを報告しました。藤島さん、土屋さん、藤島さんは「深海生物の特性を活かしたTRIZ発想法とSDGsへの活用」と題し、深海生物の特徴をTRIZ40の発明原理で分析し、深海調査ロボットや未利用魚の活用など、SDGsへの活用を提案しました。大塚蓮さんは「ワニの生態を活かしたバイオミメティクスロボットの開発」と題し、ワニの骨格を調べ、歩行をモデル化した後、ロボットを製作し、低重心で高速移動ができることを発表しました。13名のメンバーは多くの専門家の前で、目を輝かせながら発表し、発表終了後、関東支部大会長より修了証書が授与されました。