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沼津高専だより130号

学校案内

学校長から

クマと人、人と人

学校長 岡田 哲男

富士山
愛鷹山の樹上でテリトリーを見張るキリシマミドリシジミのオス。テリトリーを侵犯した飛翔物体(同種とは限らない)を追い払うために、高速で突撃を繰り返す。

 昨秋以降、クマが各地に出没してたびたび話題になりました。山中の食物が少なかったことに加えて、山と人里間の緩衝地帯に人手が入らなくなり、クマが人間の生活域に入り込みやすくなったことが原因と言われています。高齢化に伴い人の活動が低下・縮小し、その結果動物たちが私たちの生活圏に侵入し始めているのでしょう。人と動物の共生や棲み分けについて再考する時期に来ているのかもしれません。
 人間同士でも似たようなことが起こります。何事にも優劣を決めたがる人、いわゆるマウントを取りたがる人、あるいは馬が合わないと感じる人があなたの周りにいるかもしれません。社会的動物である人間の場合、これらの相手と争ったり、その人を排除しようとしたりしても本質的な解決にはなりません。コミュニケーションをとること、相手の考えを理解するよう努めることで折り合いをつけることができるはずです。争いや分断ではなく、対話と寛容によって人と人との結束を保つよう心掛けることが、人間社会における有効な生存戦略なのではないでしょうか。

副校長から

「当たり前」再考

副校長 稲津 晃司

 今年度も本校学生と教職員の皆さんは、コンテストをはじめとする多種多様なイベントへ参加し、素晴らしい成果を収めてきています。波風が絶えない社会の中にあっても、本校はより良い社会の創成に貢献できるのだと意を強くします。一方で、本校としての1年間を振り返り、より良い学校とすべく来年度に臨むために必要ないくつかの重要な成果は、本稿執筆時点で未確定で、固唾を呑んでいる状況でもあります。中でも学校教育法第109条に定められる義務の一つである、高等専門学校機関別認証評価の受審結果は、本校が高等教育機関として、教育の質を保証する上で大変重要です。受審に当たって、網羅的に本校の活動を子細に確認することと要請に即応することに相当な労力と時間を費やしました。その中で再認識したのは、成果の確認とそれに基づく次の行動の重要さです。上手く行っているとか、当たり前とかと思ってやっていることでも、実際はどうだったのか確認し、見直すところはないか、より良いものはないかなどの観点をもって次の行動に当たることが、本校が使命を果たし続けるために必要です。平素の学習指導での予習と復習の大切さと同じことで、今更に言うことでもない当たり前のことではあります。
 思考を停止して「これまで通りに」や「慣例にしたがって」事に当たることは、今ある課題を潜在し、より深刻な課題として顕在させます。たくさんの目で現状や成果を見ることと見たことの共有がより良い本校の実現に必要で、そのために風通しを良くしなければなりません。皆さまにはいろいろなことに興味を持って見ていただき、ご意見いただきたく、引き続きのご協力をお願いいたします。

校長補佐から

学校が審査を受けた一年

校長補佐(教務主事) 芹澤 弘秀

校長補佐(教務主事)
チャレンジコンテストポスター発表の様子

 今年度は、大学・高専に対して7年以内ごとの受審が法律で義務付けられている「機関別認証評価」を受審し、教育の質保証や自己点検・改善の促進を目的として、多角的な審査が行われました。特に、前回の受審で指摘された「試験問題の使い回し」や「シラバスと異なる成績評価」については、Excelシートを用いた点検システムを導入するなど、組織的な改善を進めてきました。また、授業時間外に相応の学修を必要とする学修単位科目についても点検を行い、必要な対応を実施しました。「試験問題の傾向が変わった」「課題が増えて大変」といった声も聞かれましたが、学生の皆さんには教育の質保証や公平性の確保、学修環境への信頼性向上に不可欠な取組であることをご理解いただき、時間割に記載された「自学自習」の時間を有効に活用していただきたいと願っています。学生生活は以前より忙しくなっているにもかかわらず、海外研修やコンテストへの参加は今年も活発で、挑戦意欲にあふれる沼津高専生の姿を心強く感じています。今後も夢の実現に向け、学業のみならず多様な活動に積極的に挑戦することを期待しています。

物事の考え方

校長補佐(学生主事) 佐藤 誠

校長補佐(学生主事)

 2025年の初詣で大吉を引き、良い一年になるだろうと喜びましたが、実際には公私ともに非常に多くのことに対応しなければならない一年でした。年末にある職員と話をしていたとき、「先生、大吉を引いたから現在の状況で済んでいるのかもしれませんよ」と言われました。そんなことはないと思いながらも、そうかもしれないという思いも湧きました。
 考えてみると、大吉を引くことで良いことが起こると一般的には考えがちですが、大吉を引いたらあとは上には行けず、運は下降するしかないという考え方もできます。このように物事を考えるとき、ほとんどの場合にポジティブな考え方とネガティブな考え方の両方が可能だと思います。そのとき、どのような考え方をするのかで気持ちも変わり、行動も変わっていきます。難しいときもありますが、できるだけ前向きでありたいと思います。
 最後になりますが、この大変な一年を共に支えていただいた教職員の皆様に感謝申し上げます。

2025年度の振り返り

校長補佐(寮務主事) 大久保 進也

校長補佐(寮務主事)

 平素より学生寮の運営にご理解、ご協力頂き誠にありがとうございます。今年度は私自身が初めての寮務主事ということもあり、右も左も分からないことばかりでしたが、寮関係教職員の皆様をはじめ、寮生会の協力もあり何とか1年間を乗り切ることができました。特に、寮三役(寮長、副寮長)や本部役員寮生の皆さんの協力無しでは寮の運営が成り立たないということを身をもって感じました。改めまして寮役員の皆さんに感謝申し上げます。
 本年度を振り返ってみると、昨年度までは東西に分離した秀峰寮をそれぞれ男子寮・女子寮として運用しておりましたが、今年度は全てを女子寮として運用したということがあげられます。それに伴い、昨年度竣工した優峰寮へ男子外国人留学生が移動することで、国際寮を2棟で運用する形となりました。またイベントとしましては、ほぼ例年通りに実施しましたが、そのなかでも5月の寮祭では、コロナ禍で参加者を学内関係者に限定していたものを久しぶりに一般の方々にも開放し、同時開催されていたミニミニ体験で来校していた中学生とその保護者の皆様にも楽しんでいただくことが出来たのではないかと思います。
 寮の運営についてはまだ改善する点が多々ありますが、今後も寮生一人一人が成長できる学生寮を目指していきたいと考えております。

教育・研究における 協創の基盤作り

校長補佐(研究主事) 鈴木 静男

校長補佐(研究主事)

 今年度も本校の教育研究活動へ多大なるご支援を賜り厚く御礼申し上げます。研究主事として、本校が推進する「協創」の新たな歩みについてご紹介します。
 本校では「地域創生交流会」を軸に、学校と地域が一体となって人材を育む「協創の基盤づくり」を進めております。従来、外部主導で実施されていた「インターンシップ説明会」と「キャリアFes(就職祭)」を、今後は本校と地域創生交流会が主体となって運営する体制へと刷新し、この交流会への参加企業を増やす取り組みをしています。
 また、企業や自治体とともに進める取り組みとして、授業・実験・実習、卒業研究・専攻科研究、沼津高専チャレンジコンテスト、技術セミナーなどが存在します。地域創生交流会への参加企業が増加することで、コーディネーターの配置が可能となり、教職員と企業との接点がより増加すると考えています。これにより、学生が先端的で高度な技術を有する地域産業の魅力に触れる機会を、さらに拡充することを目指す所存です。

変化を力に、未来を切り拓く

校長補佐(専攻科長) 竹口 昌之

校長補佐(専攻科長)

 専攻科の学生たちは、子供の頃からSNSやスマートフォンが身近にあり、大量の情報に囲まれて育ってきました。本科低学年期にはコロナ禍で遠隔授業を経験し、学びのスタイルも大きく変わりました。こうした背景から、「体験を重視する」「時間を有効に使う」という価値観が強く、昭和世代である私とは異なる感覚を持っていると感じます。この違いは、多様な分野にまたがる複雑な課題を解決するための力の源になると考えています。学生たちは研究活動や課題解決型学習を通じて、データサイエンスなど新しい技術を取り入れながら、自ら考え、行動し、未来を切り拓く力を確実に身につけています。さらに、仲間と協働し、多様な価値観から新しい価値を創造する姿勢も育っています。保護者の皆様の温かいご理解とご協力により、今後も学生の挑戦を支えていきたいと考えています。来年度もどうぞよろしくお願いいたします。

沼津高専的ダイバーシティ推進

校長補佐(ダイバーシティ担当) 芳賀 多美子

校長補佐(ダイバーシティ担当)

 沼津高専では今年度、女子トイレに新しい試みを行いました(女子学生に優しい環境作り)。その背景には、以下のような事情があります。
 ・「『生理の貧困』が女性の心身の健康等に及ぼす影響に関する調査」の結果を公表します|厚生労働省
 ・「生理の貧困」 | 内閣府男女共同参画局
 女性ばかりに目を向けているように感じられるかもしれませんが、この取り組みが大事にされることの意義は大きいと思っています。
 最近、気になっている映画(映画『女性の休日』オフィシャル・サイト)は、ジェンダー平等先進国・北欧アイスランドが「はじまった」運命の1日のドキュメンタリーです。この映画のように、女子学生・女性教職員・保護者などの声がきっかけとなり、沼津高専の「今を変えたい」人たちが一歩を踏み出す勇気を持てればと願っています。女性の一歩はみんなの一歩。その一歩が、沼津高専全体で「誰もが生きやすい学校」への歩みを進めることになるのではないでしょうか。
ダイバーシティ推進 | 国立高等専門学校機構

国際室長から

L’occasion est chauveであるならば

国際室長 小田 昇平

報告会

 2024年度より国際室長を拝命しております、小田 昇平と申します。平素より本校にあたたかいご支援を賜り感謝申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の猛威によりしばらく実施できなかった海外渡航もようやく軌道に乗ったようす、学生たちの思いを受けとめた教職員の尽力により、本校でも2024年から国際事業を本格的に再開してきました。例えば、本校主催の短期留学として、2024年度夏にはタイ、春にはフィリピン、今年度も夏にタイと、来る春にはオーストラリアが控えています。長期短期を問わず留学生たちも本校を選んでくれ、それぞれ活躍しています。また、アメリカなどの海外の提携校との協定再締結も進んでいます。おかげさまでこのように、沼津高専の国際事業はコロナ前、いえそれ以上の盛り上がりとなりました。さらなる学生たちの活躍のため、教職員一丸となり尽力してまいります。引き続きのご支援をお願い申し上げます。

行事・コンテスト

研究発表

後期体育祭の総括

体育祭実行委員長 電子制御工学科3年 前田 堆智

体育祭

 こんにちは、後期体育祭実行委員長を務めた電子制御工学科3年の前田です。まずは皆さん、体育祭お疲れ様でした。そして協力していただいた部活動の皆さんや先生方、ありがとうございます。とても助かりました。来年度の体育祭でもご協力いただけると幸いです。
 今年の体育祭は雨天ということもあり、希望した競技に出場できないクラスもあったかと思います。それでも実施されたドッジボールとバスケットボールでは、各クラス一丸となって競技に参加しており大いに盛り上がったと感じています。また、人数が集まらずに不戦敗となってしまったチームが教員を招き、エキシビションマッチを行うなど限られたルールの中でも楽しみを見いだそうとする姿勢はとても素晴らしいものでした。 次回の体育祭では学生の参加率や満足度の向上を目標に企画・運営を行っていきたいと考えています。体育祭で「やりたいこと」や「やってほしいこと」などがあれば、ぜひ体育祭実行委員会にご連絡ください。次回の体育祭も全員で盛り上げていきましょう。

高専祭を振り返って

高専祭実行委員長 物質工学科4年 松浦 拓己

高専祭

 初めに、今年の高専祭に協力してくださった学生の皆さん、そして高専祭発展のためにご尽力いただいた先生方に心より御礼申し上げます。
 当日は模擬店やステージ企画、部署企画では各団体がそれぞれ趣向を凝らして特色ある出店をしてくださり、楽しめるような企画がたくさんありました。保護者の方々をはじめとする多くのご来場の方にお楽しみいただけたと感じております。またゲストでお招きしたジャイアン村上先生のサイエンスショーでは、お子様連れの方々を中心とした外部の方にも多くご来場いただくことができ、このような企画をして良かったと強く感じました。
 私はこの高専祭の実行委員長を務めるにあたって、 「自分で大丈夫なのか」と思ったことが何度もありました。それでも副実行委員長、多くの実行委員、そして先生方と共にやり切ることができました。この体験は自分の中でとても貴重な経験であるとともにとてもいい思い出です。この仕事をすることができたことをとても光栄に思います。本当にありがとうございました。

新しいこころみ

電子制御工学科2年 長野 晴陽

ロボコン

 今年の高専ロボコン2025「Great High Gate」は、専有ボックスと共有ボックス使い、ゲートを立て周回するという内容でした。今年は学年別ではなく、全国優勝を目標に取り組む「鏑」Aチームと、アイデアでロボコン大賞を狙う「門池組」Bチームの2チームに分かれて挑みました。
 昨年、全国大会に出場できたため、今年も全国出場を目指して取り組んできましたが、結果として両チームとも予選敗退となりました。絶対に勝つという強い思いで取り組んでいただけに、悔しい結果となりました。しかし、2年生を中心とした若い世代が主力となったBチームが競技達成できる機体を作り上げたことや、1年生ながらAチームの2・3年生と共に戦い抜いた経験は、メンバー一人ひとりの大きな成長に繋がったと感じています。
 応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。今年の悔しさを糧に、来年度こそ再び全国の舞台に立てるよう、部員一同これからも精進していきます。

高専プロコン36参加記

制御情報工学科3年 藤田 康佑

プロコン

 高専プロコンは、「ICTを活用した環境問題の解決」をテーマにした課題部門、独創的なシステムを製作する・自由部門、与えられた問題を解く競技部門の3つから構成されており、私は今回、競技部門に参加しました。
 今年の競技内容は、高度なパズル的な思考力が問われるものでした。正方形の盤面に同じ数字が書かれたピースがちょうど2つずつ配置されており、盤面内の任意の部分正方形を選んで90度右回転させる操作を繰り返すことで、同じ数字のペアを隣接させ、その数を最大化するというルールです。
 開発期間中、私は初期の段階で考案した解法を超える効率的なアルゴリズムが最後まで思いつかず、自身の限界を感じて非常に苦戦しました。しかし、本番では他チームが披露した多彩なアプローチや予想外の戦略を目の当たりにし、視野が大きく広がると同時に大変勉強になりました。この経験を糧に、来年は後輩たちとともにより良い成績を残せるよう、一層精進していきたいと思います。

全国高等専門学校英語プレゼンテーションコンテスト回顧

物質工学科4年 加藤 周

英語プレコン

 私は東海北陸地域の予選を通過し、全国大会に出場しました。
 本大会では「Save our language, develop our science」と題し、生物化学分野における翻訳の是非をテーマに、英語の構造や日本語の翻訳に関する歴史的背景、そして周辺地域における翻訳例を踏まえた現状の問題点と改善案を提示しました。結果は残念なものとなりましたが、本番では自身なりに納得のいく発表ができたと感じております。私が長らく温め続けた主張を全国の舞台で披露できたことを嬉しく思います。このような発表の舞台を整えてくださった関係者の皆さまに、心より御礼申し上げます。
 現時点では二度目の参加を考えていませんが、本発表は終着点ではなく、中間点にすぎません。今後、別の機会において私の主張を披露できたらと思います。私の思索はなお発展途上にあり、さらなる研鑽の余地があります。多くの方々と議論を通して、この主張をより成熟したものへと高めていきたいと考えています。

プレコン東海地区
東海地区、準優勝
プレコン全国
全国大会、出場

学生会活動について(学生会長)

学生会の取り組み

物質工学科4年 三枝 理乃

物質工学科4年 三枝さん

 今年度も学生会活動へのご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございました。
 今年度は、恒例となった駅伝大会の運営をはじめ、初の試みとなる新入生スタンプラリー企画の実施や、他校との交流活動などに取り組みました。スタンプラリー企画では、新入生が早く学校生活に慣れ、充実した高専生活を送るためのきっかけづくりを目指しました。また、年間を通した清掃企画やクラブ・同好会活動の活性化にも取り組み、新たにESS同好会が発足しました。体育祭や高専祭では、天候不良による日程変更等がある中、各実行委員を中心に円滑な運営が行われました。
 一方で、私自身の未熟さから準備や調整で役員や先生方にご負担をおかけした場面も多く、支えてくださった皆様に感謝しています。
 今後も学生会活動が学生の学校生活を支えるものとなるよう、引き続き皆様のご理解とご協力をお願いいたします

退職教員挨拶

39年間の感謝

電子制御工学科 遠山 和之

電子制御工学科 遠山先生

 本校に電子制御工学科が新設された翌年、昭和62年4月に助手で採用されてから39年が経ちました。高専大会、高専祭、四国への修学旅行や指導寮生のバス旅行の引率、カナダ国立研究所での在外研究、技能五輪、50周年記念式典など、色々なことが思い出されます。
 電子制御工学科4年・5年と2年連続で助言教員を担当した現電子制御工学科5年の学生の皆さんは私と一緒に卒業ですね。進路は皆さん違いますが、ここから社会人としての40年が待っています。皆さんの夢を叶える素敵な人生となることを祈念しております。
 女子バスケ部員の皆さん、数名の部員で練習メニューも限られましたが、笑顔でひたむきに練習に取り組む姿、目に焼き付いています。春になって、新入部員がたくさん入ってくれるといいですね。
 最後に39年間様々なことを学ぶ場となった沼津高専、そして沼津高専の学生・卒業生の皆さん、教職員の皆様、保護者の皆様に、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

「お兄さん先生」から「おじいちゃん先生」へ-34年の感謝を込めて

制御情報工学科 藤尾 三紀夫

制御情報工学科 藤尾先生

 34年前の始業式。「お兄さん先生が来られたので、いろいろ相談してください」。校長先生のその言葉とともに、私の教員人生は始まりました。大学卒業後、総合電機メーカーに4年間勤務していた私は、母校大学へのリクルート活動が縁で、思いがけず沼津高専へと赴任することになりました。当時は制御情報工学科の立ち上げ期。令和9年度の改組まで、まさに学科の歴史とともに歩んだ34年間でした。
 赴任当初は学生との年齢も近く、卒業研究の学生たちとたこ焼きパーティーをしたり、温泉やキャンプに出かけたりと、まるで兄弟のように過ごしました。やがて時が経ち、私の役割は「兄」から、将来や恋愛の相談にも乗る「父」のような存在へと変わりました。中には、私がキューピッド役となり、担任したクラスメート同士が結ばれたという嬉しい報告もありました。そして最近では、すっかり「おじいちゃん先生」となり、学会などの旅先で学生たちと交わす何気ない会話が、何よりの楽しみとなりました。
 これまでに送り出した138名の卒研生、担任として関わった約240名の教え子、そして部活動で出会った多くの学生たち。彼らと積み重ねた時間は、私の人生の宝物です。時代とともに社会は変わりますが、就職担当として多くの企業と接する中で確信したのは、「高専生の優秀さは不変である」ということです。学生の皆さん、大学入試のない環境で自身のレベルがわからず不安になることもあるかもしれませんが、どうぞ自信を持ってください。皆さんの可能性は無限大です。
 最後になりますが、これまで支えてくださった教職員の皆様、保護者の皆様に深く感謝申し上げます。令和9年度から始まる次世代の沼津高専のさらなる発展を「おじいちゃん先生」として、温かく見守っております。

卒業生・修了生から

「知識ゼロ」から始まった5年間

制御情報工学科5年 内田 真菜

制御情報工学科5年 内田さん

 5年前、「パソコンを自在に操れる人はかっこいい」という、今思えば少し安易な憧れを抱き、私は沼津高専の門を叩きました。当時の私はプログラミングの経験はおろか、パソコンに触れた機会すらほとんどない、まさに知識ゼロの状態でした。しかし、制御情報工学科のカリキュラムは、未熟な私を基礎から丁寧に、そして力強く導いてくれました。日々の講義を通じて、当初の不安はいつしか新しい技術を学ぶ喜びへと変わり、着実に力を蓄えることができました。また、学業以外でも寮生活や部活動、課題研究などに深く打ち込み、多くの経験を積むことができました。これらすべての高専での活動が今の私を形作り、成長させてくれたと感じています。入学当初の自分からは想像もできないほど、充実した五年間でした。高専で得た財産を糧に、これからも歩んでいきます。高専に入学して良かったと心から思います。5年間本当にありがとうございました。

7年間の高専生活で学んだこと

専攻科2年 池ノ谷 晴行

専攻科2年池ノ谷さん

 7年間という小学校よりも長い時間を私は高専で過ごしました。5年生に進級し、大学2年相当の時期から研究活動に触れ、専攻科まで含めて計3年間研究に取り組めたことは大きな経験でした。研究室の先生は、「研究も大切だが、時には遊ぶことも大切だ」という考えの方でした。おかげで、研究だけでなく人との関わり方や物事への向き合い方も学べたと感じています。高専で学べることは、授業や研究だけではありません。私自身、電動キックボード用のモータを使ってカートを自作し、皆でレースをしたこともありました。普通の高校や大学に比べるとできないこともありますが、高専だからこそできることも多くあります。こうした遊びや没頭も、高専生活の大切な一部だと思います。後輩達にも、研究・部活・遊びを問わず、何かに全力で取り組む経験をしてほしいです。それはきっと、高専で得た最も大きな学びとなると思います。

同窓会から(同窓会会長)

平等と公平

同窓会長 後藤 純緒(機械工学科14期卒)

 この度、ご卒業・修了を迎えられます皆さま並びに保護者の皆様、誠におめでとうございます。昨年度までは、副会長として学生会員の皆さまをご支援してまいりましたが、今年度は、同窓会会長として、正会員となられる皆さまをお迎えして、これからのご活躍を学校・先生方と共に祈念いたします。さらには、皆さまと一緒に学校と在校生のために支援活動を継続できますことも期待いたします。
 ところで、皆さんは、〔平等〕と〔公平〕という言葉をしっかりと使い分けできておりますか?
 現在は辞書以外の様々なツールで、この違いを簡単に調べる事ができますが、〔公平〕は、個別の障壁を是正して〔平等〕に近付けることだと、自分は解釈しております。
 同窓会は、〔公平〕を重んじて活動を行っております。特に年度の途中で、急な家庭の経済的困窮により、授業料支払いが困難な状況になりました学生に対しまして、学校からご連絡をいただいた時点で、柔軟に授業料の支援を行っております。
 コロナ禍前までは、入学説明会の際に、同窓会活動のお話をさせていただいており、学生・保護者の皆さまも前述の同窓会の支援活動を、ご承知いただいておりましたが、近年は、資料配布のみとなっておりましたので、十分に周知できていませんでした。令和8年度から再び入学説明会時に活動内容をお話させていただきます。これからも皆さんの傍らに、先生方・後援会と共に同窓会も見守っておりますことを、お含みおき下さい。

 

今年度バックナンバー