校長挨拶

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校長 中村 聡

 高等専門学校(高専)は、中学校の卒業生を受け入れ、技術者になるための5年間一貫教育(本科)を行っています。高専は一般の“専門学校”とはまったく別の教育機関であり,大学と同じ“高等教育機関”に属します。高校生は一般に“生徒”とよばれますが、高専生は“学生”とよばれ大人扱いされます。 国立の高等専門学校は全国に51校あり、沼津工業高等専門学校(沼津高専)は昭和37年に日本で最初の国立高専の一つとして開校しました。平成8年には、本科卒業後にさらに2年間、より高度な専門教育をおこなう専攻科を設置しました。所定の条件を満たした専攻科修了生には、大学改革支援・学位授与機構より、大学卒業者と同じ“学士(工学)”の学位が授与されます。

 沼津高専では本科1年次より専門科目の勉強が始まります。大学にも工学部がありますが、専門教育を行う期間はたかだか2〜3年です。実験・実習を特に重視した専門教育を中学校卒業後という早期の段階から、5年間という長い時間をかけておこなうことで、20歳の卒業時には専門分野に関して大学卒業生と同等以上の知識・技術を身につけることができます。本校で学ぶのは専門科目だけではありません。コミュニケーションに必要な外国語科目、そして教養や倫理観を養うリベラルアーツ科目から保健体育科目に至るまで、多くの科目を学びます。また、第一線で活躍する企業研究者による講義を受ける体制も整備されています。さらに、本校は国内外の多くの大学・研究所と交流協定を締結しており、インターンシップの派遣や共同研究,そして留学が可能となっています。ロボコン、プロコン、デザコン、プレコンなどのコンテストで輝かしい成績をあげているのも本校の自慢の一つです。

  沼津高専には500名もの学生が生活する学生寮があります。欧米の一流大学のほとんどが全寮制を敷いています。学生寮における集団生活の中で、思いやりや協調性、社会性といった“人間力”が自然と身につくことがその理由です。学生寮での経験は将来の技術者としての活動に必ずプラスになります。

 沼津高専はこれまでに本科・専攻科あわせて1万人を超える卒業生を社会に送り出してきました。日本あるいは世界を舞台に多くの優れた技術者がさまざまな分野で活躍していますし、大学などで研究者として活躍している卒業生もいらっしゃいます。産業界における本校卒業生の評価は非常に高く、昨年は企業から30倍近くの求人がありました。沼津高専卒業生の就職率はほぼ100%を維持しており、就職はまったく心配ありません。また、本科卒業後も勉強を続けて、より高度な知識を身につけたいと思えば、本校の専攻科への進学や全国の大学への編入学の道も開かれています。もちろん、今年度から始まる“大学入学共通テスト”の方向性に振り回される必要もありません。本校でしっかり勉強すれば、希望者は専攻科や志望する大学に無理なく進学が可能です。

  沼津高専の教育理念は『人柄のよい優秀な技術者となって世の期待にこたえよ』です。本校では“沼津高専地域創生交流会”を通じて地元企業を支援しています。また、地元議員で組織される“沼津高専と共に歩む議員連盟”が本校と地域とを繋いでいます。さらに、医用技術者を養成する社会人講座“富士山麓医用機器開発エンジニア養成プログラム(通称F-met)”を主催し、医用関係の産業が盛んな静岡県東部地域の振興に貢献しています。

学校長 中村 聡

略歴

昭和53年3月 東京工業大学工学部化学工学科卒業
昭和55年3月 同 大学院理工学研究科化学工学専攻修士課程修了
昭和55年4月 帝人株式会社研究員
平成元年11月 工学博士(東京工業大学)
平成 2年4月 東京工業大学助手
平成 5年12月 同 助教授
平成14年2月 同 教授
平成17年4月 同 バイオ研究基盤支援総合センター長(〜20年 5月)
平成20年4月 同 理事・副学長(企画担当)総括補佐(〜23年 3月)
平成23年4月 同 評議員(〜27年 3月)
平成23年4月 同 保健管理センター所長(〜27年 3月)
平成30年4月 同 副学長(国際広報)(〜令和 2年 3月)
令和2年4月 東京工業大学名誉教授
令和2年4月 沼津工業高等専門学校長

■受賞
1992年度農芸化学奨励賞,平成21年度バイオインダストリー協会賞,酵素工学研究会名誉会員ほか

■学会活動
日本化学会 副会長,極限環境生物学会幹事長,酵素工学研究会副会長などを歴任

■委員会活動
文部科学省科学技術調査委員,科学技術振興機構科学技術振興調整費プログラムオフィサー,大学改革支援・学位授与機構学位審査委員,日本学術振興会学術システム研究センター研究員,知的財産高等裁判所専門委員などを歴任

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